「病気の発症のリスクを減らす時刻は?」
さて、前回は「生体リズム」のお話をしました。各個人、それぞれリズムを持っていると言うことでした。これがその人の基本の「生体リズム基本単位」です。 80,90,100分でしたね。
あなたは、このリズムで24.5~25時間周期を一日として生活しています。 ところが、太陽を回っている地球の自転は24時間です。いわば、地球の自転という機械時計と我々が持っているリズムの体内時計には、微妙に差があるのです。
人間は太陽のほかに月や磁場の影響を受け、また生物としての機能から、この差が生まれると考えられています。
ですから人間には、体内時計を地球の自転の機械時計に合わせるための機構として、光のセンサー(血中メラトニン)を持っているのです。 この時差は、朝起きて太陽の光を浴びることでリセットが行われ、解消します。
体内時計は、太陽の光の指示によって,まるで腕時計の分針を遅らすように、その針を地球の自転に合しているのです。
人類は、太古から光によって目覚め、闇とともに寝ていました。おそらく電灯が一般に普及する大正の前の明治時代までは自然の光り、リズムの中で暮らしていたのです。
しかし、光あふれる近代文明はこの体内リズムの変調を助長して、生活習慣病や精神疾患の発症などの元になっていると考えられるのです。
さて、太陽は赤や黄色などをイメージしますが、朝方の太陽が昇る前の光の色は青緑色です。実は、この曙は神秘な力があることが分かってきました。 この曙の青緑の光を眼の中に入れると夜に活躍していたメラトニン(血中の 時間ホルモン)のスイッチが切れ、体内時計の調整がスムーズに行われるのです。今日一日の身体のあらゆる機能が順調に活動できる準備が整うのです。毎朝の習慣にしてみてください、病気のリスクは減っていくと言われいます。
夕方もう一回、青緑の光が登場します。太陽が沈むたそがれの光です。これは朝とは逆に針を後ろにずらすのです。太陽の光は人間の体内時計を早めたり、遅くしたりして、調整しているのです。
我々人間は、家に閉じこもらないで、忙しい毎日の中でも、曙とたそがれを楽しんでほしいと思います。
また、昼間の光ですが、青緑色ほどの神秘的な働きはありませんが、この光はメラトニンの量をさらに減らすのです。この結果、メラトニンの曲線が大きくなって、夜の熟睡に繋がるのです。
不眠症に悩む人は、ぜひ昼間に30分でも1時間でも外に出て光を浴びてください。 ただ、日光浴ではありませんから日陰でいいんです。
まさに、副作用のない睡眠薬です。
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